サントアンレポート2025.02


 笑顔が育む野菜。そして野菜から受け取る無限大のパワー。自然と一体となり、農業を楽しむおふたりの姿が目に焼きついた1日でした。

 昨年11月、肌寒い風が吹く日に訪れた農園は、神戸市西区にある日和舎さん。毎月サンマルシェに出店、ご夫婦で農業を営まれています。自然農という農法を取り入れ、実践されています。自然農とは「耕さない」「草や虫を敵としない」「持ち込まない、持ち出さない(肥料、農薬を使用しない)」の3つを基本原則として、自然の摂理に沿った持続、循環が可能な農法です。自分たちも自然の中の一部。そうおっしゃるおふたり(岡橋正人さん、ちさこさん)の畑にはたくさんの作物が元気よく育っています。

 畑を見学して印象に残ったのは、種類の違う野菜が同じ畝の中で共存していることです。コンパニオンプランツ(混作)といい、近傍に栽培することで互いの成長に良い影響を与えるそうです。畑を見渡してみると混作されている場所がほとんど。例えば里芋と生姜。日なたを好む里芋に対して日陰を好む生姜。里芋の大きな葉が生姜を日差しから守り、上手に育つそうです。

「ここはこういう理由で混作するんだよ」質問したことに正人さんは笑顔で答えてくれます。「なかなか聞かれないから嬉しいのよ」ちさこさんがそう言うと場が一気に笑顔に。おふたりの人柄が滲み出るひと場面。私も心があったかくなりました。

 この日はお土産にたくさんの葉野菜をいただきました。早速わが家の食卓にサラダとして並んだのですが、野菜本来の濃くて甘い、おいしい味におもわず笑顔がこぼれました。自然野菜で食卓を笑顔に明るくしたい。正人さんはそうおっしゃっていましたが、こんなにもおいしい野菜。食べた人は絶対笑顔になる!そう感じました。

 人や作物、動物、土。自然の循環の中で農業を営まれる日和舎さん。同時に笑顔の循環もおこる、素敵な農家さんでした。

 日和舎さん、貴重な経験をさせていただきありがとうございました。