サントアンレポート2025.04


 苺が最も美味しくなる2月、三田市で苺を育てる「いなかぎファーム」さんの農園におじゃましました。外とは別世界のような暖かいビニールハウスの中いっぱいに広がる甘い香り。50メートルほどある高設栽培のベンチがいくつもありたくさんの苺が育っています。

 果汁たっぷりで甘さと程よい酸味がある「あすかルビー」、甘さと香りが豊かな「さちのか」。この時期は、サントアンのお菓子に使っている苺のほとんどが稲鍵さんの苺。卸先の用途に合わせて大きさや熟度を把握し稲鍵さんおひとりで収穫されます。


 お話の中で、初めて聞く稲鍵さんとサントアンの関係がありました。奈良県での修行を終えて、三田市で独立してから気持ちが落ち込んでしまった時、当時のサントアンパティシエ、松田さん(元工場長)との話がきっかけで取引きが始まり、今があるとおっしゃっていました。何年も前の話でしたが、生産者さんを大切に思うサントアンだからこそのエピソードに誇らしい気持ちになりました。そして、10年以上たった今もおいしい苺を毎朝届けてくださっています。


 「毎回100点満点は難しいけれど、70点をキープできるような、ずっと安定しているおいしい苺を届けられるようにしたい。そして、できるだけ農薬を使わずこどもたちも安心して食べられる苺を作り続けたい」。


 見学の最後に伺ったこの思いに稲鍵さんの全てが詰まっていると感じました。70点は低すぎる!と思ってしまうくらい、おいしい苺をサントアンのお菓子に使っていること。私たちがお菓子を作ってお客様に届けられているのは生産者さんがいてこそなんだと、稲鍵さんの苺への思いや先代とのエピソードから改めてそう思います。

 稲鍵さん、お忙しい中見学をさせていただきありがとうございました。