コラム 2024.01


わざわざがやってくる

文章 塚口 紗希

※トークイベントの募集は締め切らせていただいてます


 2016年だったか、17年だったか。Facebookのフィードに、パンと日用品の店/わざわざさんの投稿で、パンのアイテムを20種類から2種類に絞った経緯が書かれた記事が上がってきたんです。投稿は結構な文量だったと記憶しているんですが、内容に引き込まれて気がついたら「いいね」を押していました。それがきっかけでお店の存在を知り、わざわざっていうお店なんだ。ホームページあるんかな。とのぞきに行ったらば、出てくる出てくるたくさんの記事。代表の平田はる香さんがありありとつづる、まっすぐな商いの姿勢になんじゃこれ!と雷のような衝撃を受けたのを覚えています。


 ちょうどその頃、私が長野県大町市美麻の山奥ポツンと一軒家でコーヒー店美麻珈琲(サントアン姉妹店)の運営を本格的に任されて34年が経ったころで、しっかりと壁にぶちあたりまくっていた時でした。山の上の車でしかいけない場所という同条件でお店をやっている人の生の声がSNSで発信されているというだけで、明日も挫けずお店を開けようと勇気をもらっていました。平田さんのご自宅が事務所になったり、赤ちゃんが生まれたり、スタッフさんが増えたり。勝手に同志のような気持ちで記事を楽しみにしていました。


 平田さんの記事は、商品紹介も経営の悩みも全部が毎回、真剣勝負で書かれています。こんなに真っ直ぐでいいんだ。素直な思いを前面に出していいんだ。ってただただ感銘をうけて、私が自らを偽らずに働き始められるきっかけになった方です。暗闇を走るような、なんにも上手にできずに辛かった20代から、仕事と暮らしが楽しくなって、人に恵まれ、充実した30代へ移行できたのは平田さんのおかげだと思っています。

 ここまで何度もわざわざさん、平田さん、と書いてきましたが、お話をしたわけでもなく、投稿を追いかけて、お買い物したことがあるだけのわざわざさんファンです。3年前に兵庫県三田市にあるサントアンを事業承継してからは、東御市の店舗へ伺う頻度は減りましたが、こんなにも素晴らしくて、お手本にしたい会社があることを一緒に働くメンバーやサントアンのお客様にもぜひ知ってもらいたい。サントアンに関わってくださる方なら、きっと何かを感じてもらえるはず。前方を走るわざわざさんの背中に、今後のサントアンのありたい姿を垣間見てもらえるはずだと思います。


 サントアンの販促物などのデザインを引き受けてくださっていて、友人でもある佐田祥毅さんが、今回のトークイベントの登壇依頼を平田さんに申し込む、背中を押してくれました。ただのファンだし、お会いして対等に話せるほどの人間ではないし、きっと他の方が申し込んだ方がいいと思うし。と怖気づく私に、絶対申し込んだ方がいいよ!楽しそうじゃん!と、えらくしつこい説得がしばらく続き、このままずっと説得され続けるくらいならいっそ申し込もう。思い切って申し込みメールを送ることができて、イベント開催が決定しました。今となっては背中を押してもらって感謝してます。


 そんな背景があるトークイベントの開催です。2024217日(土)少し先になりますが、予定を空けておいてもらえませんか。大いに影響を受け、たくさんの勇気をくれた平田はる香さんのお話、私の大事なみなさんにぜひ聞いていただきたいです。無事に会場も手配できました。みなさまのお申し込みお待ちしています。