お菓子の歴史2025.04


 フロランタンとは、サブレにアーモンドスライスをのせてキャラメルのソースでコーティングしたお菓子。特徴はサクッと軽いサブレ生地(下面)とカリッと甘いフロランタン生地(上面)のコントラスト。アーモンドのリッチな風味が口いっぱいに広がる。

 キャラメルソースの柔らかさやサブレ生地の質感しだいで、しっとりした食感にも、パリパリを楽しむ食感にもなるフロランタン。食べた時の食感と風味の魅力、特徴的な外見が、多くの人々を魅了し世界各地で愛されている。


 フロランタンはフランス菓子だが、発祥地はイタリア。1500年代のフランス王アンリ2世のもとへ、イタリアの王妃が嫁いできたことをきっかけに、フランス国内に広まっていったと言われている。フランス語で「フィレンツェの」を意味する言葉で、王妃の出身地であるイタリア北部に位置するフィレンツェにちなんで呼ばれるようになったのだとか。

 オーブンから出たフロランタンは、ツヤのあるキャラメル色で美しい。キャラメル化したアーモンドの香ばしさが出るように絶妙の焼き加減で状態を見極める。サクサク、しっとり、パリパリと独特な食感を一度で楽しめる。アーモンドの風味とキャラメルの濃厚な甘さが広がって、心を満たす贅沢なお菓子。ひとたび口にすれば、あなたも虜になるかもしれない。