お菓子の歴史 2024.04


パリブレストの歴史 文章:高次萌 

 

 大きなリング状のシュー生地にクリームをはさんだ、フランスの伝統的なスイーツ、パリブレストの歴史について今回は紹介します。


 パリブレストと呼ばれるお菓子は、自転車の車輪の形を模したお菓子として知られ、フランスの首都パリとフランス西端の港湾都市ブレスト間で行われる自転車レース「パリ・ブレスト・パリ」を元に作られたと言われています。パリ・ブレスト・パリはパリからブレストへ、そしてまたブレストからパリまでの往復約1200 kmを走り抜ける過酷なサイクリングイベントで、1891年に最初に開催されました。現在でも継続されている最古の自転車イベントとして、4年おきに開催されています。開催当初はフランス人男性のみが参加するプロレースでしたが、歴史とともに変化し、現在は、性別や国籍を問わないサイクリストのための祭典となっています。


 レース創立者のピエール・ジファール氏が、コース沿道であるパリ・ロングイユ大通りの菓子店メゾン・ラフィットの職人ルイ・デュラン氏に依頼をして、この特別なデザートが作られました。自転車の車輪の形状は過酷なレースへの敬意を表現し、中に挟んだプラリネのクリームで選手たちに体力をつけてもらう応援の意が込められていると言われています。


 やがてパリブレストはレースの目的地である二つの都市以外でも作られるようになり、独特なスタイルと誕生の背後にあるストーリーから、フランスを代表するお菓子になりました。サントアンでも、その伝統と歴史の詰まったパリブレストを旬のいちごでアレンジをして、4月限定ケーキとして販売します。サクッとしたシュー生地とクリームの甘くて力強い風味をお楽しみください。